よくいわれる専門学校生に対する評判・・・特にインターネット上では決してよくはありません。
私もたった一年ですが、専門学校の講師をやっていろいろ思ったことがあります。それを通していまの活動もある訳ですが、私なりに専門学校の問題点について指摘しておきたいと思います。
これはもちろん私の経験から感じたことで、特定の専門学校はこうだからダメだ・・とった
趣旨の問題ではありません。その点を十分踏まえた上で読んで欲しいと思います。
・なぜ就職できないのか?
結局はここにつきますよね。
実際メーカー側からも専門学校生の評判は良くないのですが、
専門学校・・特にゲーム系に関してはゲーム会社に就職するために技術を学ぶ学校です。
こういうご時世ですから親御さんは"技術を身に付けて就職して欲しい"・・そう切実に願っていることでしょう。
ゲームやアニメ系の専門学校に関しては、正直よく分からないが夢をもって頑張れるならば、
それもいいだろうし、就職が決まらないならば"フリーター"になられるよりは、"専門学校生"になってもらった方がよい・・といった考えもあるでしょう。
私が学生のころはゲーム制作を教える専門学校なんか地元(名古屋)にはありませんでした。
それは今では普通に情報メディアとかなんとか言って、それっぽいことは工業高校学科にまで、それこそタケノコのように続々と出来てきています。
高就職率やメーカー直営をウリに"就職しやすそう"という印象を与える学校も多いのですが、
結論から言えば、実際問題としてひとクラス30〜40名ぐらいで実際にゲーム関係の会社に就職出来るのは2〜3人といったところでしょう。
そもそも需要と供給のバランスが最初から崩れているといえばそうなのですが、
さらに正直言ってしまえば、CG関係の学科ではそういう入社できる学生は入った段階でほとんど
入社できるか分かります。作品をみれば絵を描くのが好きなのが伝わってくるのが分かるものですから・・。そういった学生ほうっておいてもいずれは上手くなり、そういう姿勢が企業の面接官にも伝わるのです。
もちろん入ってから上手くなっていく生徒もいますが、それはごく一部・・クラスに一人
いるかいないかといったところでしょう。
なぜそんな事態になるのか?それは学生自体に問題が多いと思っています。
・勉強しない学生
生徒は学生です。無試験で入学しようが、中学校卒だろうが、勉強しなければ
学生とは言えません。
ですが、この肝心の学ぶという姿勢が欠如している生徒が多いのが事実です。
最近は学力低下が問題になり、大学生で平均して3時間程度しか勉強していない
・・という統計が出ています。これは専門学校でも言えることで一般的な専門
学校の3時間程度の授業時間に"勉強"するだけで、あとはまったく勉強しない
のが実態でしょう。ここはCGに関するサイトですので、以下はCG関係の生徒
として話を進めますが、一日3時間では非常に効率が悪いのです。
中学、高校の美術の時間よりはましではありますが、本来絵を描くというのは
非常に時間のかかる作業です。
それを時間をかけないで、授業時間だけの"勉強"で上手くなるはずがないのです。
・何を勉強するのか?
では学校では何を勉強したらよいのでしょうか?
前述のようにほうっておいても上手くなる生徒は、単純に時間稼ぎとして学校を
利用して技術を磨いてもいいのでしょうが、大多数の生徒はその目標が分かっていません。
基本的にはゲームグラフィックがアニメーションの現場と同じく最初のうちは
あまりアーティスティックではありません。
いかに"求められた絵"を"速く仕上げる"のか・・その技術が求められているのです。
基本的には新卒の新人に対して、あまり"速く"仕上げることまでは求めない傾向があり
ます。ですので、"いろんなもの(要求)"を時間をかけてでも仕上げることが出来るよ
うになれば・・・と思うのですが、それがなかなか出来ないのが実態です。
CGは普通にやっても手書きより上手く描けるものです。
基本的にはアマチュアのレベルで満足してしまってプロとしての域まで到達しよう!という
意識の低さが問題なのです。
また同時に”絵”というものは正解というものがありません。
通常、原則的には学校では正解のあることを教えます。たまに歴史の教科書が一人の考古学者のウソでひっくり返ってしまうことなどもありますが、事実として覚えて欲しいことを教えるのが学校というところです。
ですが、絵に関しては正解というものはありません。それぞれ見る人によって、「これは60点」とか「50点でしょ?」みたいな価値観や判断基準ならあるのでしょう。
特に描いている本人は「自分の絵が最高!!」と思ってるものだし、それぐらいに思っていなければ、新しく自分がクリエイターとなることを目指す”意味”がなくなってしまうのではないでしょうか?
・講師を利用しろ!
講師の立場から言わせてもらうと、大体の学生は「プロ並の技術も身に付けろ」
ということになると最初からあきらめてしまう傾向がかなりあったりします。
正直には言わないでしばらくは自信をつけさせる為に、意外に簡単に出来るが見た目き
れいにしやすい"課題"や"TIPS"を教え、自信をつけさせることになります。
ですが、こんなことをちんたらいつまでもやってると卒業なんてあっという間です。
自信をつけさせるというのも大事ですが、本当はもっと講師を使い倒して欲しい
と思います。
就職でウケる作品制作や、構図や配色などある程度真似の出来る"技術"というのは
確実にあります。それらの近道を上手く聞き出して欲しいと思います。
まあ、結局は"近道"であり、最短コースを進むだけではクリエイティブな世界では
つまらない作品になりがち・・とは思いますが、専門学校生はその卒業までの限られた
"時間"を有効に使って欲しいと思うのです。
・ゲームで遊ぶな!
まあこの辺は追伸みたいなものですが、ハッキリ言っておいた方がいいでしょう・・。
ゲームの画面の勉強と称してゲームで遊ぶのはやめましょう。
まあ、アクション系のゲームで数十分、気分転換するという程度なら
まだいいのですが、オンラインゲーム全盛のこの時期は昼間から何時間もゲームをやり
かねないとんでもない環境にあります。
学校で知り合ったゲーム好きの仲間と深夜までオンラインゲームで遊ぶなんて、こんなに
時間の無駄使いはありません。というか課金型のオンラインゲームは長く遊ばせることも目標に作られているものですからね。
基本的にゲームの勉強がしたいなら古本屋さんを巡って数百円で売られている古めの攻略
本を買い漁るのが、あとあとはもっとも勉強になると思います。
攻略本を"熟読"してからプレイするというのも製作者の意図が見えてきたりして、面白
いものがありますが、くれぐれも"ゲームをする"ことには時間を取られないように。
大体集中してれば、周りの背景なんか目に入らないし、そこまで目を配ってプレイするぐ
らいならなおさら自分の作品制作をしたほうがいいです。
ともかく、若いゲーム開発者志望としてはゲーム好きであるほうがいいのには違いないですが、
クリエイターを目指すことを決心した時点で”新しさ”や”自分らしさ”それによりボリュームのある作品を作ることが出来る”速さ”を目指して、総合的な強さを目指して欲しいと思います。
これは受験やテスト前にゲームをガマンして勉強することと全く同じことなのです。
少なくともただ正確であることを求められる中学・高校のテストや受験勉強よりはきっと面白いハズです。
・「頑張れ」は「勉強しなさい」か?
頑張ってください・・・と言うのは簡単ですが、結局本人がやらない限りはどうにもなりません。
結局やる気がないといくら腕のいいプロの講師が「頑張れよ」といっても、オカンの「勉強しなさい」と同じ意味になってしまいます。
その為にもまずは絵を描いたり、簡易言語でプログラムを組むなりをして欲しいと思います。
クリエイティブであれとはいいません。やってみて”楽しいか”どうかです。
楽しくないならば、その分野の専門学校に進んでも意味が無いので、あきらめるなり別の道を探すなりしてはどうでしょうか?
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