WEBはUIのかたまり
UI(ユーザーインターフェイス)とかナビゲーションとかいった言葉は最近WEBで
よく耳にするようになった言葉の一つだ。
印刷系のデザイナーがよく使う言葉のような気がするが、これらに関しては彼らは
デザインの学校や会社で習わなかったことなので、プロとしてクオリティの高いものを
作るのには若干の抵抗や迷いがあるようだ。
その不安を解消したいが為か、WEBデザインの本なのでは良く扱われるし、フラッシュ
などを多用した妙なナビゲーションも多く見られる。
それらの本ではいろいろな有名サイトを例にとって「○○型」とかいって、それっぽい
解説をつけてたりするのだが、ゲーム業界的に見れば結構笑える部分がある。
それはデザインの"セオリー"にマッチした形に解説し、動的だの静的だのおかしな解説や
ボタンを"動かして"アクティブな感じを出すなどのウザイ手法がさもあたりまえに書かれ
てたりしますので、今回はこのあたりに噛み付いてみます。
そもそもUIは画面構成のことではない。
そもそも画面の構成のことを考える前に、マウスやペンタブレットなど、パソコン的には"入力デバイス"と呼ばれているものに、もっと目を向けてみてください
「マウスに決まってるじゃない?」とかいう前にマウスとはいったい何か?という面から
考えなければいけません。
まず、WEBサイトにおけるマウスとは画面上の"座標の指定"ならびに"クリックによる選択"さらに挙げるならば"ホイールによるスクロール"のみです。これら以外の操作はユーザーが選択したブラウザによる操作や、マウスの専用ユーティティにより提供される機能により常に変化すると考えなければいけません。
画面構成を再度考える
では、それらを踏まえた上で、画面構成を考えてみましょう。
一般的なWEBのエリアの図の部分を、それぞれA〜Dの名前で名付けました。
あなたならどこにナビゲーション(ボタンなどのコンテンツへのリンク)を表示しますか?
コンテンツ量にもよりますが、一般的にはAのラインにロゴや広告バナー、Bのラインにメニュー関連というのが"普通のWEBサイト"的なのではないでしょうか?
またはAのラインにメインメニューが並び、Bのラインをサブメニューやトピックなどでしょうか?
TVでも時々やってますが、広告的に考えると普通、視点の動きが"Z"状に動くといったことに起因した理論のようです。
したがってこの流れに従ってコンテンツを配置したり、情報を整理してイメージを伝えるテクニックが重要だと考えているようです。
ではゲーム的にはこれが間違っているか?というとそうでもありません。ですが、結果的に同じになっているだけという部分もあります。
どこから見るか?
ここで重要と考えるのはどこからどのサイズのものを見るか?という点と、その操作性・・特に
右と下に現れるスクロールバーにポイントがあります。
パソコンの画面や印刷物(本やチラシ)といったものは、どこから見るか考えてみたことがあるでしょうか?
普通は上から見ますよね。本やチラシなどを頭の正面やその上に持ってきて見ることはないでしょう?またパソコン画面も普通は少し上から見るぐらいになるでしょうし、ちょっと高いパソコンデスクは机にモニターの角度をつけられるものもあるぐらいです。
でもゲーム画面やTVの画面はどうでしょう?
もちろん上からみるということもあるでしょうが、子供の視点からいうとテレビ台の前に座ってゲームをする姿を想像すると少し下から見上げる形になるのではないでしょうか?
また昔のアーケードゲームなどはテーブルに埋め込まれたゲームなどを上から見ることになりますが、手元に視点が集中しがちではないでしょうか?これは自機の表示位置などの関係もあるのですが、"目に近い部分から見る"という点を忘れていないでしょうか?
また同時に視線は誘導も出来るものです。どうやってその人に必要な情報を誘導するかを考えるべきです。
入力デバイスを考える
さて、同時に考えなければいけないのは視点だけではありません。
入力デバイスのことも同時に考えなければいけません。
マウスを使った操作が前提ならば、同時に右と下に現れるスクロールバーはここでも非常に邪魔な存在です。今のWEBページはこのスクロ−ルバーが出ることを前提に作られているのではないでしょうか?(少なくとも縦は)
スクロールバーが出るからそれを動かすつもりで誤ってナビゲーションボタンを押してしまわないように上や左にあるのです。・・・おかしいと思いませんか?
大画面のモニターで見るとページが多機能だけど左に寄っているサイトも多くあります。
これはスタイルシートなどで座標を指定してプログラムされていたりする部分があります。
これはWEBの製作者的には”仕方が無い”ことだとされていますが、・・・これもおかしいとは思いませんか?
いまでこそマウスを使ったパソコンでのWEB閲覧が一般的ではありますが、これからも本当にその方法が主流なのでしょうか?なぜウインドウズでホイール付きのマウスがここまで主流になったのか考えたことはありませんか?WEB製作者の怠慢のせいで、ビジターの方が努力した結果ではないのでしょうか?
これからはゲーム機によるWEB閲覧や、高速無線通信技術の発展で、
モバイル機器、またタブレットパソコンと呼ばれるタイプでの閲覧など、ユビキタス社会とよばれる分野の商品が注目されています。
もしこれらの分野のどれかが発達して今後主流になるとするならば、その操作方法も大幅に変わってくることを考えなければいけません。
たとえばウインドウズCE。ペン入力である点やパームOSとの違いはもちろん、シグマリオンと
カシオペアなどは同じウインドウズCEマシンなのに縦画面と横画面と画面自体が徹底的に違いますよね。またセガのドリームキャストもウインドウズCEを登載してモデムやLANアダプターによる閲覧が出来ますが、家庭用TVのWEB閲覧を考慮して文字表示が非常に大きいです。
またアナログとデジタルによるキー入力でポインタ移動はアナログスティック、ウインドウのスクロールは十字キーなどといったいったスタイルやソフトウェアキーボードなどの操作性はWEBサイトの作り方次第ではかなり操作性が変わってきたものです。(ドリームキャストが現役当時はソフト発売メーカーはDCでの表示を考慮したと思われるページも多数存在した)
ここで考えて欲しいのは、選択の方法と入力装置ならびに本体の持ち方それと画面の比率と入れることが出来る情報量・転送量です。
左腕で本体を固定してペン入力するようなタブレットパソコンならば、入力時にその画面上に
おいて上方でも固定しにくく、手前すぎても自分の体が邪魔になりますよね。
また右手でペン入力するならば、選択しやすい大きなボタンが右下によった形で存在したほうが
入力しやすいことが予想されます。同時に左利きの人は右利きに特化しすぎると使いにくいものになります。
サイトや使用のシーンを考える
これにはサイト構成に関して左右される部分がありますので、ここではあまり触れませんが、
サイトの目的を考えて、それにふさわしいターゲットを想定するのは、差別化の面で重要だと考えます。
たとえばショッピングサイトならば、ショップの特徴をトップページで表現することは可能ですが、
大量の商品を魅力的に見えるように"ディスプレイ"することや、買うために支払ったり、発送先の住所を入力する・・・そんな作業をするならば、従来型のパソコンの方が情報量やキーボード入力など、よい面も多いかと思います。
また会社の紹介や取り扱っている商品の紹介をするならば、営業マンの視点ならば携帯電話のWEB機能やモバイル機器による"プレゼンテーション的な紹介"というのは重要でしょう。
また携帯電話向けのページなどは"パソコンがつかえない人に向けたパケット通信料のかかる情報発信"という点で考えると非常に閉ざされて使いにくいジャンルです。
求人情報を発信するにしても、パソコンぐらい使える人を採用したいと考えるならば、詳細情報はWEBサイト上"のみ"で公開するのもアリではないでしょうか?
そのほかにもいろいろなケースがあり"こうしたらよい"とはいいにくいところではありますが、
原則的に"どんなビジター"が"どんな通信機器"で"どこから見るか?"まで考えなければ
いけないのではないでしょうか?
印刷会社が作る会社のパンフレット的な企業概要などが書かれたページが悪いとは思いませんが、
わざわざ電話などで資料請求してきた就職希望者や取引先など幅広く共通に渡せる資料ではないか?
・・・今一度考えて欲しいポイントです。
正解はないが答えはある
以上、あまり具体的には書きませんでしたが、これといった正解はないが解き方はあります。
”1+1=2”この場合の”2”という答えを知っていてもそれはあまり意味がありません。
ですがいままでWEBデザインにおける答えが”2”のように思われていたのは、今までが
パソコン+マウスといった最初の問題部分がかなり固定化されていただけではないでしょうか?
これからは1+1の部分が大きく変わってきます。
2+1かもしれないし、3+5かもしれない・・・他人のマネをするのは日本人の得意な分野では
ありますが、今までの発想にしばられすぎないようにデザインしていって欲しいと思います。
今後はこの”1”の部分や、きたるべき”2”やその他の可能性について少し触れていきたいと思います。